「全てを癒す力」

「ジョアンの話」


〔キリストの衣の裾にさわる女性の画像〕

夫がポルノグラフィーとマスターベーション依存するようになったのは,結婚後間もなくのことでした。依存症は徐々に進行しました。夫はいつもわたしにすぐ告白してくれるのですが,発症の頻度は高まり,深刻さは増して行きました。わたしたちが依存症という言葉を使うようになり,夫が家庭外の機関に助けを求める覚悟を決めるまで,何年もかかりました。

夫の依存症はわたしにもいろいろな形で影響を及ぼしました。夫の行動を見て裏切られたと感じ,自尊心が傷つき,自分はふさわしくないと感じました。夫から直接責められたことはまったくないのですが,自分にもう少し魅力があれば夫はもっと幸せで,依存症に走ることもなかっただろうにと考えてしまうのでした。夫がいらいらしているときや落ち込んでいるときには,また誘惑に負けてしまうのではないかという心配がつきまとい,腫れものに触るように接しました。わたしは疑い深く被害妄想を抱くようになりました。自分はこんな男性と結婚したはずではない,こんな人生を思い描いていた訳でもない,と屈辱的な気持ちになりました。長い間,人に援助を求めたいとは思っていませんでした。問題は最終的にはなくなると信じていましたし,私事を知られたくなかったのです。わたしは信じられないほど孤独でした。

自分のせいだと思っていましたし,将来に恐れと不安を抱いて生活していました。夫の依存症の責任は自分が取らなければならないと思っていたのです。わたしは夫のためにルールを作るようになりました。夫の行動を管理しようとしたのです。しかし,とうとうわたしは状況を解決する望みはないと感じるようになりました。夫を変えようとしましたが,何をしても無駄でした。様々なフィルターやコントロールを設定し,霊的な活動を増やしましたが,夫の依存症は良くならず,かえって悪くなりましたわたしは懇願し,泣きじゃくり,辱しめることで,夫を変えようとしました。それに,どんなに親しくなろうと努力しても,夫の依存症は再発してしまうのでした。依存症が発症するたびに,わたしの落胆は激しくなりました。自分が努力してもむだで,夫の側の努力が足りないと思ったのです。

しばらくして,わたしは「依存症立ち直りプログラム」のことを知り,何人かの女性と自分の経験について匿名でブログを始めました。オンライン上の友人やARP支援グループのおかげで,わたしは自分が苦しんできた暗く,寂しい場所から抜け出すことができました。

ステップの1から3までについてよく学んだ後で,わたしは神がこのプログラムを監督しておられることに気づきました。夫には選択の自由があったのです。わたしには夫をコントロールすることはできませんでしたが,天の御父が自分を愛しておられることを確信することができました。わたしは御父の娘です。この先何が起ころうとも,御父はわたしを支えてくださいます。「依存症立ち直りプログラム」では,教会員が福音を通して学ぶ,悔い改めと癒しのプロセスを教えています。贖いのもたらす癒しの力は,苦しむすべての人に適用されます。わたしは救い主を通じて希望を見いだし,悲しみや恐れを主にお任せすることができました。

依存症立ち直りプログラムに参加するようになって,夫の依存症はわたしの責任ではないことが分かりました。わたしが原因ではなかったのです。夫が毎日毎時間何をしているか心配することに,もうこれ以上エネルギーを浪費したくはありません。わたしは夫を愛することができますし,救い主の助けがあれば,夫を赦すこともできます。自分の意志よりも主の御心を優先することを学びました。たとえ最悪の事態になったとしても,自分は大丈夫だということを知っています。主はわたしをお見捨てになりません。わたしには希望があります。救い主は,夫に受け入れる気持ちがあれば,御自分の定められたときに,夫も癒すことがおできになるのです。

わたしは,人生でどのような状況に置かれようとも,自分の幸福に責任があるのは自分自身なのだということを学びました。天の御父から与えられる平安は,ほかの誰かの選択に左右されることなく,いつでも手にすることができます。この人生で一つ,自分で決めることのできるものがあります。それは試練に遭ったとき,それにどう対処するかです。神が人の選択の自由を損ねるような方法で,わたしの行く手から困難を取り除かれることはありません。しかし,わたしはイエス・キリストの力を通じて,そのような試練を耐えるのに必要な力を頂くことができます。

今でも夫の依存症は再発しますが,落胆したときには主にお任せすればよいことをわたしは学びました。依存症であっても夫を愛することはできます。また,依存症であるからこそ,わたしたちはかえって円満で幸福な夫婦になることができました。恵まれて,わたしは啓発的な女性たちに出会って友情をはぐくむことができ,困難な時期には彼女たちに助けられました。それに,天の御父から何度も愛を示していただきましたから,新たな角度から贖いを理解することができるようになりました。この試練の時に,神の御手を通してこの上ない祝福を受けてきたことに,わたしは心から感謝しています。